2020年10月29日、名鉄(名古屋鉄道)のキャンペーン切符を利用して、西尾市へ行ってきました。この切符は乗車券にお土産(抹茶飴)の引換券や、西尾市内のカフェで抹茶パフェを食べられるチケットが付いたもの。
西尾という町は、江戸時代には西尾藩6万石として栄え、西尾城もありました。さらに現在でも三河の小京都と呼ばれている…ということになってはいますが、行ってみての感想は「小京都と呼ぶにはかなり無理がある」現実でした。
最近は抹茶の産地として知られるようになり、特にお菓子用などに使われる原料としての抹茶生産が行われているようです。(参考 西尾市観光協会)
名鉄西尾駅を降りて、まずは西尾城の方へ向かいます。市街地の道歩きで、歩いていて楽しいことは別にありません。しばらく歩き、道沿いで見つけたのは、抹茶関連の商品が充実した茶店、抹茶ラボ 西尾伝想茶屋店。名鉄のチケットはここでも使えますが、歩き始めたばかりなので我慢して先へ。
尚古荘
そして西尾城の手前にあるのが尚古荘という名の日本庭園。ここは西尾城関連の庭園かと思いきや、さにあらず。西尾城東の丸の遺構に作られていいますが、作庭は昭和初期。それでも100年近く前ということにはなりますか。
西尾城跡
尚古荘にほぼ隣接するのが、西尾市歴史公園。まるまる西尾城の跡地です。門や天守閣がありますが、再建されたもの。天守閣の内部まで無料で入ることができます。
旧近衛邸
西尾市歴史公園内にあるもう一つの施設が旧近衛邸。京都にあった江戸時代後期の近衛家の邸宅の一部を移築したものだそうです。近衛家というのは、歴史的に関白など朝廷の要職に付いてきた名家ですね。なぜ近衛邸が西尾に来たのかは定かでありませんが。
近衛邸では、庭に面した縁側で抹茶を頂くことができます。お城も見えてこれはお勧め。
西尾市歴史公園で見かけた飲料の自動販売機。どうやら製茶組合のようなところが仕掛けているようです。
西尾市歴史公園を出たら、ガンガン歩きます。目指すは西尾市の郊外に広がる茶畑。その辺りに製茶工場や、お茶にまつわる歴史的な場所があるからです。困ったのはランチの場所。どんどん町はずれに向かいますから、食べるところがあまりありません。やっと見つけた中華料理屋さんの味は…ノーコメント。
西尾の抹茶工場
途中見かけたのが西尾を代表する製茶会社、株式会社あいや。ここは前もって予約しておくと工場見学もできるそうです。後ほどここのカフェに立ち寄りますが取りあえずは通過。
実相寺
実相寺は1271年、当時この地を支配していた吉良氏の菩提寺として建立。この頃から境内でお茶を育て、お茶がたしなまれていたとか。さほど見るべきものがあるわけではなく、周囲の大きな黒松が印象的でした。
紅樹院
紅樹院は実相寺からあまり離れていないところにある寺院。実相寺からは茶畑の間を通ることになります。西尾らしい雰囲気。
紅樹院は徳川家康の叔母の菩提寺だそうです。が、建物や文化財等見るものはさほどありません。ここで見るのはお茶の木。明治時代になって、紅樹院の住職が宇治からお茶の種子と製法を持ち込んだことによって、現在のお茶の産地である西尾に繋がったそうです。実相寺で育てられていたお茶は…今のお茶とは繋がっていなかったのですね。
紅樹院の茶の木は、その頃宇治から持ち込まれたものの子孫だそうです。このお寺は文化財というよりは、現在の西尾のお茶の礎となった地、という意味で西尾では大切な場所なんですね。
あいやで抹茶パフェ
紅樹院を見学したら、来た道を戻り、西条園抹茶カフェ西尾本店(あいや本店)へ向かいます。ここは株式会社あいやの工場に併設されたカフェです。
頼んだのはこれ。抹茶パフェとお抹茶のセットです。後ろには小さな庭園があって、ちょっと良い雰囲気。おいしゅうございました。本当は、他のカフェでも抹茶パフェを試してみたかったのですが、結構ボリュームがあって、結局ここでしか食べませんでした。
茶畑を抜けて
あいや本店の抹茶パフェを堪能した後は、またまたひたすら歩いて市街地へ向かいます。茶畑の中を抜けるルートを選んでみました。
ここが三河の小京都?
西尾市内は、ところどころに古い街並みや、小さなお寺が残ってはいるのですが、「小京都」と呼べるようなまとまりはないのではないでしょうか。
そうした中で唯一雰囲気が良かった道がここ。両側に寺院があり、石垣や塀が細い道を挟んで続いています。
ここ以外はいくつかお寺の境内にも入ってみましたが、見るべきものもなく。かつては花街だったのかなあ、と思える路地を通って西尾駅へ。最後に観光案内所で抹茶カリントウを購入して帰途に着きました。