室生寺は奈良時代の末期に奈良県宇陀郡室生に建立された各宗が道場を兼ねる珍しいお寺です。高野山が女人の立ち入りを禁じたのに対して、女人の済度をもはかることから「女人高野」の名で古くから知られています。
あたりは室生火山帯に属する古い火山地形で谷は深く、いかにも聖地にふさわしい雰囲気をたたえています。
金堂と五重塔は平安初期の建築で国宝、本堂は鎌倉時代のものでやはり国宝に指定されています。このほかにも国宝の仏像がいくつか、重文の建物や仏像がまた多くある由緒ある寺です。
石楠花が有名で、花の時期に来ると車で寺の近くまで入ることができず、大変だそうです。紅葉もまた人気ですが、僕らが訪れた時、11月12日はまだ少し早い印象でしたが、それでもきれいに色づいた木もありました。
橋を渡ってまず出迎えるのが仁王門。赤と青のカラフルな仁王様がいます。
仁王門の周辺の紅葉が一番きれいでした。仁王門を通ると道は左へ折れ山の斜面へ。金堂へと続く階段が始まります。これは序の口。
階段を登りきると金堂です。中にはなかなか素敵な釈迦如来立像があり国宝です。その周りを十二神将像などが固めていて、見ごたえがあります。残念ながら金堂内部の撮影は禁止です。
金堂の脇にはひっそりとこんな石に刻んだ像もたたずんでいました。ほとんど誰も注意していないようでしたが。
金堂から少し登ると今度は本堂。紅葉が進んだ頃に見たらきれいでしょうね。
本堂をあとにさらに少し登ると国宝の五重塔。しばらく前の台風で大きな杉の木が倒れて修理を受けたためか、古い割にはきれいに見えました。奈良の興福寺の塔とか見た跡だと随分小さく見えますが、山の中で木々に囲まれてたたずむ姿は風情があります。
五重塔の写真手前に写っている枝は石楠花の木です。このあたり石楠花だらけです。上を見上げると杉だらけですが。
さていよいよここからが室生寺の奥の院。階段の数はなんと700段以上!はっきり言って足の弱い人にはきついです。我が5歳と2歳の息子は…
なんと登りきりました。写真奥に見えているのが奥の院の建物です。すれ違う人たちは一様に「こんな小さな子が!」と驚いていました。我が息子あっぱれ!
でも登りついた奥の院にはさほど見るものはないんですよね。後は足を痛めないように下るだけです。
(この記事は2006年11月19日に投稿したものです。)